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1 施設に入所している脳に障害のある子供さんがいるときに、その費用をご両親等の親族が支払うときは扶養義務の履行となるので、特に税金の問題は生じません。
ところが、その費用を負担している方が痴ほう症にかかり意思能力を失った時は、その方の意志に基づく費用の支払いができなくなります。
2 痴ほう症に関しては、まず成年後見制度があります。
成年後見制度のうち、法定後見でも当然に扶養義務の履行に相当する子供さんの施設の入居費の負担は、問題なくできますが、本人の保護が優先され、本人の意思とは無関係に扶養義務の履行に相当な負担金額とされることになります。
任意後見の場合は、任意後見契約において、施設の入居費の費用のほか具体的な扶養義務の内容について規定することによって、できるだけ本人の意思に沿ったきめの細かい扶養義務が履行できることになります。
ただしこの場合では、本人が死亡したときに、本人の相続財産は特に遺言のない限り法定相続人に相続されるため、障害のある子供さんをご自分の死後もしっかり守ってあげたいというご本人の意志が守られるとは限りません。
3 次に、生前贈与の方法はどうでしょうか。
障害者の方に対する贈与に関しては、「特定障害者に対する贈与税の非課税」制度があります。
これは、障害のある方のうち、「①精神の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある者、②精神保健指定医等により知的障害があると判定された者、③精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者、④65歳以上の精神に障害のある方で①・②に準ずる方として市区町村長の認定を受けている者」に該当する方が、贈与者を委託者とし、信託会社等を受託者とする「特定障害者扶養信託契約」の受益者となったとき、その信託受益権が次の区分で贈与税の非課税財産とされます。
・特別障害者に該当する特定障害者の方は、6,000万円の信託受益権が非課税財産となります。
・特別障害者以外の特定障害者の方は、3,000万円の信託受益権が非課税財産となります。
この場合の委託者は、特定障害者の方のご両親に限られずだれでもよいですが、受託者は信託業法の適用を受ける信託会社及び信託業務を営む金融機関に限られています。したがって、民事信託は使えません。
なお、この信託も、信託契約に変わりがありませんので、委託者の相続に当たっては遺留分減殺請求の対象となります。
特定障害者扶養信託契約の対象にできる財産は、金銭・有価証券・金銭債権・居住用不動産・賃貸用不動産・立木とともに信託される立木及び土地です。(いずれも収益のできる資産で、収益を生まない単なる農地、山林や雑種地は対象にならない場合があります。また、居住用不動産は単独の信託はできず、他の収益のできる資産とともに信託される必要があります。)
当該契約は、取り消しすることができず(詐害信託の取り消しを除く)、合意による終了ができないこととされ、受益者の変更ができない旨の定め、受益者たる特定障害者の方の死亡の日に終了することとされています。
また、信託財産の交付としての金銭の支払は、特定障害者の方の生活または療養の需要に応じるために、定期かつ実際の必要に応じて適切に行うこととされています。
さらに、受託者に信託された財産の運用は、安定した収益の確保を目的として適正に行うこととされていること、信託に係る受益権は譲渡又は担保に供することができない旨の定めがあることが要件とされています。
特定障害者扶養信託について、障害者非課税申告書を提出した場合、当該信託財産は、相続税の相続開始前3年以内の贈与財産に含める必要はなく、当該相続に係る相続税の障害者控除の適用も受けられます。
4 それでは、信託(民事信託)はどうでしょうか。上記3の特定障害者扶養信託で、十分な対応ができるかと思いますが、限度額があること、
ご両親の元気なうちはご自分で面倒を見たいし財産を管理したい、信託限度を超える財産を障害を持つ子供さんのために残したい等々、特定障害者扶養信託では不十分なときもあります。
したがって、特定障害者扶養信託を活用しつつ、ご自身が痴ほう症になったときに備えて、信頼できる者を後見人とする任意後見契約を利用する、また、信頼できる者を受託者とする自益信託を利用する方法が賢明です。
担当:杉本(すぎもと)
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