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事業承継

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事業承継の対策をしないとどうなる?

 事業承継の対策をしないで、社長が亡くなると、後継者をだれにするかがまず問題となります。ご子息が後継者となるにしても、他の会社に勤めている等のときには、
 当然経営のノウハウを知らない。
 取引先、従業員の方の信頼を得ることが容易でない。
 経営を続けるための資格、経験年数の要件がなく会社の経営者となる公的許可が得られない。
という事業の継続の問題だけでなく、無事代社長を引継げたとしても、今度は相続の関係で、親族と相続分でもめたり、株式が他の相続人に分散されて、株主総会で円滑な意思決定ができない。
 さらに、無事相続問題がかたずいたら、さて税金を払う現金預金がない。という困難な出来事が次々に後継者の方を襲うような事態になりかねません。

 例えば、建設業の許可を得て建設業を事業としている会社の場合、後継者の方は建設業法上の経営業務の管理責任者を5年経験している必要があります。社長さんが唯一の専任技術者である時は、どなたか資格を持っている人(10年の経験等)が必要になります。
 従って後継者の人は、なるべく早く取締役になって、経営管理の業務の経験を積み、さらに専任技術者の技術を習得しておくことが必要になります。このことは、各種許可を得て営業する事業を営む方に共通に必要なことです。

 ご子息・親族に後継者がいないときは、覚悟を決めて、後継者候補を考えておいたほうが良いでしょう。

遺留分に関する民法の特例、事業承継の際の相続税・贈与税の納税猶予

 遺留分は、兄弟姉妹を除く相続人の法定相続分の2分の1(父母は3分の1)は、遺贈によっても、権利を失わず、特定の相続人に遺贈によ相続財産の全部を移転しても、遺留分減殺請求により、遺留分の相続財産を請求できる制度です。

 したがって、極端な話をすれば、社長であるお父さんが、兄弟5人のうち、会社に残って事業を手伝って大いに会社に貢献した、末のご子息(5男)を後継者として自分の持っている自社の株式(発行株式の80%)のすべてを遺贈して事業承継を図っても、家を出て行った4人の兄が遺留分減殺請求により32%の株式を取得のうえ、他の株主と共謀すれば、5男は社長になれない、という事態が生じてしまいます。

 この様な事態を避けるため、中小企業の経営承継円滑化法(平成20年10月施行)は、「遺留分に関する民法の特例」を定め、①推定相続人全員の合意、②経済産業大臣の確認及び③家庭裁判所の許可を要件として、このような中小企業の自社株式を遺留分算定基礎財産から除外等をすることが認められました。

 また、この特例の創設に合わせて、後継者である相続人等(経営承継相続人等)が相続等により、経済産業大臣の認定を受ける非上場会社の株式等を先代の社長である被相続人から取得し、その会社を経営していく場合には、その経営承継相続人等が納付すべき相続税のうち、その日上場株式等の一定部分に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予され、最終的に一定の場合には猶予額の納付が免除される場合があることになりました。(経済産業省大臣の認定は、平成25年3月までは相続前に認定を受ける必要がありましたが、平成25年4月以降は相続開始後でも認定が受けられるようになりました。)
(非上場株式等について相続税の納税猶予制度といいます。)

非上場株式等についての相続税の納税猶予の適用要件

 適用要件は次のとおり

1 経済産業大臣の確認を受けていること。

2 被相続人に関する要件
① 認定承継会社の代表権(制限を加えられた代表権を除く)を有していた個人であること。
② 相続開始の直前において同族関係者を含めて過半数の議決権を有すること。
③ 相続開始の直前において経営承継相続人等を除いて筆頭株主であること。

3 経営承継人等に関する要件
① 相続開始の直前において被相続人の親族であること。
② 相続開始の日から5か月以内に代表権を有する役員になること。
③ 相続開始時に同族関係者を含めて過半数の議決権を有していること。
④ 相続開始時に筆頭株主であること。
⑤ 相続開始時に経済産業大臣の確認を受けた会社のその確認に係る特定後継者であり、且つその相続の開始直前においてその会社の役員であったこと。
⑥ 申告期限まで株式と植尾継続保有していること。
⑦ 確実な経営承継要件を満たしていること。

4 対象会社の要件
① 経営承継円滑化法の該当中小企業であること。
② 経済産業大臣の認定承継会社であること。
③ 常時使用従業員数が1名以上であること。
④ 資産保有型会社でないこと。(預貯金・有価証券・自ら使用しない不動産・ゴルフ会員権・貴金属書画骨とう品等の合計額が総資産の70%未満)
⑤ 資産運用会社でないこと。(預貯金有価証券・自ら使用しない不動産等の運用収入が総収入の75%未満)
⑥ 風俗関連事業を行う会社でないこと。(実質的子会社も含む)
⑦ 発行株式が等が非上場株式等であること。
⑧ 総収入金額が零をを超えていること。
⑨ 拒否権付き株式を第三者が所有していないこと。    

5 事業継続要件
① 相続税の申告苦言から5年間又は経営相続承継人等の死亡の日のいずれか早い日まで事業を継続していること。
② 継続要件期間中雇用の8割以上を維持していること。(平成27年1月からは平均8割以上)
③ 継続期間中相続した対象株式を継続保有していること。
④ 継続期間中上場会社・風俗営業会社・資産保有会社・資産運用会社に該当しないこと。
⑤ 毎年1回っ経済産業大臣、税務署に報告すること。

6 5年経過後の打ち切り事由(猶予税額を納付しなければならなくなる。)
① 後継者が対象株式を譲渡した時
② 認定対象会社が資産保有会社もしくは資産運用会社に該当した時
③ 認定対象会社が解散した時
④ 認定対象会社の事業年度中の総収入金額がゼロになった時
⑤ 継続届出書を提出しない時他                                                                           

 

 適用限度株式数
    発行済完全議決権総数の3分の2−経営承継相続人等の期所有株式数

 適用株式数
    ①相続または遺贈による取得株式数 と
    ②(発行済完全議決権株式総数の3分の2)から(既に所有している株式数を差し引いた株式数)のうち少ない数
    ①と②のどちらか少ないほうの株式数

 納税猶予対象税額
 適用株式(特定価額)の100%の価額で相続税を計算した時の経営承継人の相続税の額と適用株式(特定価額)の20%の価額で相続税を計算した時の経営承継人の相続税の額との差額の税額

 猶予税額が免除される場合
① 経営承継相続人等が死亡し、死亡した日から6か月以内に「免除届出書(死亡免除)」先代社長の相続税の納税地の税務署長に提出したとき。
② 申告期限後5年を経過した後に、特例の適用を受けた非上場株式等を一定の親族に贈与し、その親族が「非上場株式等についての贈与税の納税猶予」の適用を受ける場合。
③ 申告期限後5年を経過した後に、民事再生法や会社更生法により許可を受けた計画により株式償却するために本特例の適用を受けた株式の全部を譲渡・贈与するとき、破産開始の決定、特別清算開始の命令があったとき、合併による消滅株式交換等で株式交換子会社等になったとき、2か月内に「免除申請書」を先代社長の相続税の納税地の税務署長に提出したとき。

 このほかに事業承継のための中小企業株式の生前贈与についても同様の規定があります。(適用要件は若干違います。後継者が20歳以上であること、役員就任から3年以上経過していること等の要件あり)

 また平成27年7月からは、先代の社長が遺言で、先代社長の親族以外の後継者に中小企業株式を遺贈した場合にも適用があります。(ただし、親族外の遺贈なので算出された相続税は2割増しで計算します。その結果本来の相続人の税率は特定価額の100%なので、高額になることもあり得ます。)

 

以上のように事業承継税制をうまく使えれば、猶予税額まで免除されることがあります。(ただし免除に該当するのは、会社が危機に陥った時ですので気を付けて下さい。)

事業承継を進める手順

現状の認識(1)会社の状況

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①会社の資産・負債の状況
②損益、キャッシュフロー等の現状と将来見込み 
③会社の競争力と将来見込み 
④従業員の数年齢等の現状等

現状の認識(2)経営者の状況

①保有自社株式の現状
②経営者名義の土地・建物の現状
③経営者の負債・個人保証の現状

現状の認識(3)後継者候補の状況

①親族内に後継者候補がいるか
②社内や取引先に後継者候補がいるか
③後継者候補の能力・適性はどうか(許認可の継承の要件のクリア)
④後継者候補の年齢・経歴・会社経営に対する意欲はどうか

現状の認識(4)相続時に予想される状況

①法定相続人及び相互の人間関係・株式の保有状況
②相続財産の特定・相続税額の試算・納税方法の検討
③従業員・取引先の反応

事業計画書の作成

①事業承継の概要    後継者の選定、承継方法、承継時期
②事業の中長期目標  経営理念、事業の方向性、将来の数値目標
③事業承継を行うための対策・実施時期    関係者の理解、後継者教育、株式・財産の配分

遺留分に関する民法の特例の合意書の作成

 計承継円滑化法の遺留分に関する民法の特例を活用し、現経営者から後継者に贈与された自社株式を
  ①遺留分算定基礎財産から除外(除外合意)、
  ②遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の時価に固定(固定合意)により、相続に伴う遺族の遺留分の主張から、後継者へ贈与された自社株を守ることができます。

 この合意は、後継者を含む現経営者の遺留分を有する推定相続人全員で合意し合意書を作成することが必要です。この他に次の要件が必要です。
 ①会社が合意時点において3年以上継続して事業を行っている非上場企業であること。
 ②現経営者が過去又は合意時点において会社の代表者であること。
 ③後継者が合意時点で会社の代表者であること。
 ④後継者が現経営者からの贈与等による株式を取得したことにより、会社の議決権の過半数を保有していること。

合意書に関する経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可

 STEP6の合意書には、
 ①合意が会社の経営の承継の円滑化を図る目的であること、
 ②除外合意又は固定合意の旨であること、
 ③後継者が代表者で亡くなった場合の措置、
 ④必要に応じ推定相続人間の公平を図るための措置などを記載します。

 経済産業大臣には、①確認申請書、②合意書、③確認証明申請書、④定款等の添付書類を提出(中小企業庁財務課へ提出)し、その確認を得ます。

 次に、上記②の確認証明書等を添付して、家庭裁判所へ許可申請の申立書の提出をします。
 これにより合意の効力が発生します。

事業承継の際の相続税・贈与税の納税猶予のための経済産業省の認定

 本ホームページに記載した納税猶予の適用要件等をクリアしたら、相続の場合は相続開始後8か月以内に、贈与の場合は贈与した年の翌年1月15日までに、各地方経済産業局の産業部中小企業課へ、認定申請書及び定款等の添付書類を提出します。

STEP8の認定書の写しをとともに相続税・贈与税の申告書の税務署への提出及び担保提供

 経済産業大臣の認定書を受けたら、その認定書の写しとともに相続税、もしくは贈与税の申告書を税務署に提出します。(その他添付書類も併せて提出します。)

 さらに、税務署へ納税猶予税額及び利子税に見合う担保を提供します。(特例の適用を受ける非上場株式のすべてを担保提供すれば、納税猶予税額及び利子税の額に見合う担保提供があったものとみなされます。)

納税猶予開始後の手続き

 納税猶予が開始されたら、申告期限後5年間は、年1回、経済産業省には「年次報告書」を、税務署には「継続届出書」を提出しなければなりません。

 申告期限5年経過後は、3年に1度、税務署に「継続届出書」を提出しなければなりません。

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相続、贈与及び財産評価

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